ここからはDMX信号についていろいろなことを書いてみましょう

まず、なぜデジタルなのか

デジタル信号はノイズに強い

デジタルはノイズやレベル変動に強いのです。
アナログ信号の場合距離が伸びればノイズも増えてきます。前述のバランス回路を使っても完全ではありません。
デジタルでは信号をONかOFF(1と0とも良く言います)だけで表します。
たとえばDMXで言う50%は100%が255ですから127になります。
これをデジタルにすると01111111(2進数)と表すことができます。100%は11111111となります。
255までの10進数は8個のON・OFF信号で表すことができます。

たとえばアナログで50%のレベルを人に伝えるときは半分の音量で音を出すとします
100%の時はもっと大きなフルレベルの音を出します。
しかし、遠くなると音が小さくなってしまいます。
デジタルだと音の大きさは関係なく、いつも同じ音量で送ります。
ONの時は音を出す。OFFの時は音を出さないとします。
聞く方は音がどれぐらいの音量で出ているか聞き取る必要はなく、音が出ているか出ていないかだけ判ればよいのです。
これなら音量は関係なく、横から少しくらい雑音が入ろうと問題ありません。

DMXは遅いのか

DMXでは一周するのに(CH1を送って次にまたCH1にもどって来るまで)かかる時間は512CH送った場合、一番早い時に約1/40秒(1秒間に約40回)です。
一番早いときと書いたのには訳があります。ここがくせ者です

DMXでは規格自体に幅があります。これは多分、卓やユニットを作るときにある程度作りやすいようにメーカー側で調整できるようにするためだと思われます。
しかしこれが相性とか呼ばれる問題になってきます。
DMXの規格については後ほど中級編で書きますが、実はDMXでは信号の途中でいろいろな休憩が入れられるようになっています。
具体的に言うとまず、1CHめのデータを送ってから2CHめのデータを送り始めるまで(Time Between Frame)に最大1秒休んでもよいことになっています。

また別の休み方も許されています。
データは1CHから512CHまで休みなく送って次に1CHから送り始める間(Break)に最大1秒休んでもよいことになっています。
もちろん両方とも休んでもよいのです。

ただし1chめを送ってから次にまた1chめを送るのに1秒以内ですので一番遅い状態で1秒1回です。
こんなに遅いシステムでもDMXの規格の範囲内なのです。

 一休み、一休み

しかしDMXは決して遅いシステムではありません。
速く送ることも可能です。
たとえば今のDMX規格では送るチャンネル数は自由に設定できます。
512CHも要らないとき、たとえば半分の256CH分しか送らなければ最大で1秒間に倍の約80回送れます。
実際に電飾などでは1秒40回では遅く、チャンネルを減らし送る回数を多くして使っているところもあります。
ちゃんと設計されたシステムでは十分早く送れるのではないかと思います。
ただ、やはり早いとうまく受けてくれないものがありますから、それに合わせると全体のスピードが落ちてしまうことになります。

ちょっと注意
ここで言っている遅い、速いというのは実際にデータを送るスピード(伝送速度)が変わるのではなく1秒間に何回データが更新できるかということです。
車が一周512mのところを周回するときに車のスピードに当たる部分は、DMXでは決められていて変えられません。
遅いというのは、一周する間に途中で車が走ったり止まったりしてなかなか戻ってこないのです。
止まらずにずっと走っているのが速いシステムです。
どちらも走っている時のスピードは同じです。
もっと早く一周するにはコースを短くすれば(チャンネルを減らす)よいのです。半分の256mのコースにすれば車は半分の時間で戻ってきます。

DMXはどの程度の距離まで可能か

DMXはコンピュータなどの通信で使われるRS485という信号の中の一種です。
通信距離の限界は通信速度や線材によっても変わってきます。
DMXの場合、通信速度は250kbps(1秒間に250000個のON・OFF信号)なので規格表でみると約400mとなります。
ただ途中にアイソレーターや信号分配機などを入れれば、そこからまた最大400mのばせることになります。
信号の速度と距離は反比例します。
つまり将来DMXより通信速度の早いシステムができたとすると、RS485規格で送る限り2倍の通信速度では、距離は半分の200m、4倍の速度では距離は100mとなっていきます。早さをとるか距離をとるか・・・・。


次はDMX信号の中身についてです


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