少し専門的な話に入っていきましょう。なるべく易しく分かるように書いていきますが。

DMXはどんな信号なんでしょうか。
通信プロトコル(手順とでも言いましょうか)はDMXの仕様書に書かれています。
以下のように規定されています。

ボーレート 250kbps(250キロ、ビットパーセコンドと言います)
スタートビット 1ビット (LOW)
ストップビット 2ビット (HIGH)

どういう意味か一つずつ説明しましょう。
ボーレートとは1秒間にいくつの1(HIGHレベル)や0(LOWレベル)のデジタル信号を送るかということです。
たとえば9600bpsでは9600個です。DMXは250kbpsですから250000個ですね。
逆に言うと1個のデータの時間は1/250000秒つまり4μsecとなります。
スタートビット、ストップビットとは、データの最初と最後に始まりと終わりの合図として付加されています。
DMXではスタートビットが1ビットでLOWレベル(0 or OFF)の信号。
ストップビットは2ビットでHIGHレベル(1 or ON)信号です。
ビットというのは、ONやOFFのデータ1個で1ビットです。
DMXのレベルデータは8個のON・OFFで表されますから8ビットと言います。
似た単位にバイトというものがありますが、これは8ビットが1バイトです。
ちなみにDMXの1ch分のデータはこの8ビットにスタート、ストップビットを足した11ビットということになります。
では実際のDMX信号のデータをみてみましょう。

こんな風になっています。
最初にある Break は他の信号に比べて長いようですが、これは88μSec以上の長さがありDMX信号の中ではこんなに長いLOWレベルはここだけです。
受信側は、この信号が来ると「頭に戻るんだな」と判るようになっています。
さて、これでは細かいところが判らないので、さらに拡大してみてみましょう。

信号の構成はこんな風になっています。

番号 名称 長さ
1 Break 88μSec以上、1秒以下
2 Mark After Break 8μSec以上、1秒以下
3 Start Bit 4μSec
4 Data 4μSec×8bit
5 Stop Bit 4μSec×2bit
6 Frame Time 44μSec
7 Time Between Frame 0秒以上、1秒以下

では、ひとつずつ説明しましょう。

1.Brake Time
先ほど説明したように、データの先頭を見つけるための信号です。
88μSec(100万分の88秒)以上、1秒以下です。
こんなに長さに幅があるので、相性問題の原因のひとつです。

2.Mark After Break
Break と次の Start Bit が両方ともLOWレベルの信号なので区別するために間にHIGHレベルの信号を入れます。8μSec以上、1秒以下の信号です。
これも長さに幅があるので相性問題の原因のひとつです。

6.Frame Time
Start Bit、レベルData、Stop Bit を合わせた11bitです。

7.Time Between Frame
chごとの Frame Time 間にある休憩時間です。0秒以上、1秒以下です。
そして、これも長さに幅があるので相性問題の原因のひとつです。

これらの長さがちゃんと決めてあれば、こんなに相性なんて問題起こらなかったんですがねえ。
説明し忘れましたが Break とch1の Data の間にある Start Code というのは、番号を最初に送って調光ユニット以外にDMXを使うときに使用するものです。 つまり、0の時はその後に続く最大512chのデータはDIMMER用、たとえば1の時は別のものの制御信号というように、一本の線でいろんなものを分けて制御するためにのものです。
しかしながら、知る限りでは、0以外の Start Codo を送って制御するものは知りません。通常は0に固定です。

BREAK START CODE CH 1 = 0

右のフェーダを動かしてみてください →

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